介護リフォームの費用相場と失敗しないポイント|補助金情報も解説

住宅・住環境
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「親が自宅で安心して介護生活を送れるようにリフォームしたいけど、費用はどのくらいかかるの?」
「介護リフォームで失敗しないためには、どんなことに気をつければいいの?」
「使える補助金はあるの?」

そのような疑問をお持ちではないでしょうか。自宅での介護を支える上で、住環境の整備は非常に重要です。適切な介護リフォームは、被介護者の安全を守り、自立を促し、そして何よりも介護するご家族の負担を軽減することにつながります。

この記事では、これから介護リフォームをお考えの方に向けて、箇所別の費用相場、後悔しないための重要なポイント、そして活用できる補助金制度について、網羅的に分かりやすく解説します。この記事を読んでいただくことで、介護リフォームの全体像を掴み、ご家族にとって最適な住環境づくりを進めるための一助となれば幸いです。

また、既存の住宅の大規模なリフォームが難しい場合や、より柔軟な対応を求める場合の新しい選択肢として、私たち株式会社アイデアがご提案する庭に設置する別棟の介護専用ハウス「C’ZB(シーズビー)シニアリビングについても、その魅力をご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

なぜ介護リフォームが必要?その目的とメリット

「そもそも、なぜ介護リフォームが必要なの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
介護リフォームには、主に以下の3つの大切な目的があります。

事故防止と安全確保

高齢になると、若い頃には何でもなかった段差でつまずいたり、滑りやすい床で転倒したりするリスクが高まります。また、冬場の寒い浴室やトイレでは、急激な温度変化によるヒートショックも心配です。

介護リフォームによって、これらの家庭内事故を未然に防ぎ、安全な生活空間を確保することが最も重要な目的です。

被介護者の自立支援

手すりの設置や段差の解消などによって、被介護者自身ができることが増えれば、それは大きな自信につながります。「自分でトイレに行ける」「自分でお風呂に入れる」といった日常動作が維持できることは、QOL(生活の質)の向上と尊厳の保持に不可欠です。

介護者の負担軽減

例えば、浴室やトイレが介助しやすい広さになったり、移動がスムーズになったりすることで、介護するご家族の身体的な負担は大きく軽減されます。また、被介護者が自分でできることが増えれば、介護者の精神的な負担も軽くなります。

介護者が心身ともに健康でいることは、質の高い介護を継続するために非常に重要です。

これらの目的を達成することで、住み慣れたご自宅で、できる限り長く、安心して暮らし続けることが可能になります。「親御さんのために、少しでも快適で安全な環境を整えてあげたい」そのお気持ち、私たちもよくわかります。

介護リフォームは、その想いを形にするための有効な手段の一つなのです。

【場所別】介護リフォームの費用相場と工事内容例

介護リフォームの費用は、工事を行う場所や内容、範囲、使用する素材などによって大きく変動します。ここでは、主な場所ごとの一般的な工事内容例と費用相場をご紹介します。あくまで目安として参考にし、リフォームを検討される際は、必ず複数の専門業者から見積もりを取り、比較検討するようにしましょう。

玄関・アプローチ

家の出入り口である玄関やアプローチは、転倒の危険性が高い場所の一つです。

主な工事内容例

  • 手すりの設置・・・壁付け、据え置き型など
  • 段差の解消・・・スロープの設置、踏み台の設置
  • ドアを引き戸や折れ戸に交換・・・開閉スペースの確保
  • 上がりかまちの段差を低くする、式台の設置
  • 滑りにくい床材への変更
  • 照明の設置・・・足元灯など

費用相場

数万円~50万円程度

  • 手すり設置 3万~10万円
  • スロープ設置 10万~50万円

廊下・階段

家の中の移動経路である廊下や階段も、安全対策が不可欠です。

主な工事内容例

  • 手すりの設置・・・片側、両側
  • 段差の解消・・・敷居の撤去、スロープ板の設置
  • 足元灯やセンサーライトの設置
  • 滑りにくい床材への変更
  • 階段昇降機の設置・・・直線型、曲線型
  • 階段の勾配緩和・・・大規模な改修になる場合あり

費用相場

手すり設置 数万円~、階段昇降機 50万円~150万円程度

  • 廊下の手すり設置(片側10m) 5万~20万円

トイレ

毎日使うトイレは、自立を促すためにも重要なリフォームポイントです。

主な工事内容例

  • 和式便器から洋式便器への交換
  • 手すりの設置・・・L字型、可動式など
  • ドアを引き戸やアコーディオンカーテンに交換
  • スペース拡張・・・車椅子や介助者が入りやすくするため
  • 温水洗浄便座の設置
  • 呼び出しブザーの設置

費用相場

10万円~60万円程度

  • 和式から洋式への便器交換(内装工事含む) 15万~50万円

浴室

浴室は滑りやすく、ヒートショックのリスクもあるため、特に重点的な対策が必要です。

主な工事内容例

  • 手すりの設置・・・浴槽まわり、洗い場
  • 段差の解消・・・出入口、洗い場と浴槽の間
  • 滑りにくい床材への変更
  • ドアを引き戸や折れ戸に交換
  • 浴槽の交換・・・またぎやすい浅型浴槽、移乗台付浴槽など
  • シャワーチェアを置くスペースの確保
  • 浴室暖房乾燥機の設置・・・ヒートショック対策
  • 水栓金具の交換・・・レバー式、サーモスタット式など

費用相場

10万円~200万円程度
※ユニットバス全体の交換を含む場合は高額になる傾向。

  • 手すり設置と床材変更 15万~40万円
  • ユニットバス交換 80万~200万円

寝室・居室

一日の多くの時間を過ごす寝室や居室も、安全で快適な空間にしましょう。

主な工事内容例

  • 間取り変更・・・引き戸化による開口部確保、入口の拡張
  • ベッドサイドへの手すり設置
  • ナースコールや緊急通報システムの設置
  • 床材の変更・・・畳からフローリングへ、段差のないカーペット敷きなど
  • 照明器具の変更・・・調光機能付き、リモコン操作可能など
  • コンセント位置の変更や増設

費用相場

数万円~100万円程度
※間取り変更の規模により大きく変動。

  • 引き戸への交換 5万~15万円
  • 床材変更(6畳) 10万~30万円

キッチン

火を使うキッチンは、安全性と使いやすさが重要です。車椅子での利用も考慮に入れる場合があります。

主な工事内容例

  • 車椅子対応キッチン(座ったまま作業できる高さ)への交換
  • 水栓金具の交換・・・レバー式、センサー式など
  • IHクッキングヒーターへの交換・・・火災リスク低減
  • 収納の工夫・・・低い位置への棚設置、引き出し式収納など
  • 滑りにくい床材への変更

費用相場

数万円~100万円以上
※キッチン全体の交換の場合は高額になる。

  • 水栓交換 数万円
  • IHクッキングヒーター設置 10万~20万円
  • システムキッチン交換 50万円~

これらの費用相場はあくまで一般的なものであり、建物の状況や選ぶ設備、工事の規模によって大きく変わります。正確な費用を知るためには、必ずリフォーム専門業者に見積もりを依頼してください。

介護リフォームで失敗しないための10のポイント

せっかく費用と時間をかけて行う介護リフォームですから、後悔のないものにしたいですよね。ここでは、失敗を防ぐための重要な10のポイントをご紹介します。

ケアマネジャーや福祉住環境コーディネーターに相談する

介護リフォームは、単に設備を新しくするのとは異なります。被介護者の身体状況や生活スタイルに本当に合ったリフォームプランを立てるためには、介護の専門家のアドバイスが不可欠です。

担当のケアマネジャーや、福祉住環境コーディネーター(高齢者や障害者が住みやすい住環境を提案する専門家)に必ず相談しましょう。

被介護者の身体状況の変化を予測して計画する

現在の身体状況だけでなく、将来的に病状が進行したり、身体機能が低下したりする可能性も考慮に入れて計画することが大切です。例えば、今は手すりだけで十分でも、将来的に車椅子が必要になる可能性があれば、通路幅やドアの開口幅を広めにとっておくなどの配慮が必要です。

被介護者本人・家族の意見をよく聞く

リフォームは、実際にその家で生活する被介護者本人の使いやすさが最も重要です。本人の希望や意見を丁寧に聞き取り、リフォームプランに反映させましょう。

また、介護する家族の意見も重要です。介助がしやすいか、介護動線はスムーズかなども考慮に入れましょう。

複数のリフォーム業者から見積もりを取る

費用や工事内容を比較検討するため、最低でも2~3社のリフォーム専門業者から見積もりを取ることをお勧めします。これにより、適正な価格を把握できるだけでなく、各社の提案内容や担当者の対応なども比較でき、信頼できる業者を選ぶのに役立ちます。

実績豊富で介護に詳しいリフォーム業者を選ぶ

介護リフォームには、一般的なリフォームとは異なる専門知識やノウハウが必要です。過去の施工事例や、介護保険の住宅改修制度の利用実績などを確認し、介護リフォームの経験が豊富なリフォーム業者を選びましょう。

補助金・助成金制度を事前にしっかり調べる

介護リフォームには、費用負担を軽減できる様々な補助金や助成金制度があります。これらの制度は、申請のタイミング(多くは着工前)や手続きが複雑な場合もあるため、事前にしっかりと調べ、利用できるものは最大限活用しましょう。詳しくは後述します。

工事範囲と優先順位を明確にする

予算には限りがある場合が多いでしょう。あれもこれもと希望を詰め込むと、費用が膨らんでしまう可能性があります。「どこを最優先でリフォームすべきか」「今の状態に本当に必要な工事は何か」を専門家と相談しながら明確にし、優先順位をつけて計画を進めましょう。

ショールームなどで実物を確認する

手すりの太さや握りやすさ、床材の滑りにくさ、便器の高さなどは、カタログだけではなかなかわかりません。できる限り、リフォーム業者のショールームやメーカーの展示場などで実物を見て、触って確認することが大切です。

工事中の生活についても計画しておく

リフォームの規模によっては、工事中に一時的にその部屋が使えなくなったり、騒音やほこりが発生したりすることがあります。仮住まいが必要かどうか、工事期間中の生活をどのように送るかなども事前にリフォーム業者とよく相談して計画しておきましょう。

アフターサービスや保証内容を確認する

工事が完了したら終わりではありません。万が一、工事後に不具合が発生した場合の対応や、設備機器の保証期間など、アフターサービスや保証内容についてもしっかりと確認しておきましょう。

活用したい!介護リフォームの補助金・助成金制度

介護リフォームの費用負担を少しでも軽減するために、ぜひ活用したいのが補助金や助成金制度です。代表的なものをご紹介します。

介護保険の住宅改修費支給制度

介護保険の被保険者で、要支援1・2または要介護1~5の認定を受けている方が、自宅で自立した生活を送るために行う小規模な住宅改修に対して費用の一部が支給される制度です。1

対象者

要支援・要介護認定を受けている方。※在宅で生活していること


対象となる主な工事

  • 手すりの取付け
  • 段差の解消・・・敷居の撤去、スロープ設置、浴室床のかさ上げ等
  • 滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更・・・畳からフローリングへの変更など
  • 引き戸等への扉の取替え、扉の撤去
  • 洋式便器等への便器の取替え
  • その他これらの各工事に付帯して必要となる工事・・・壁の下地補強、給排水設備工事など

支給限度基準額

原則として、同一住宅・同一利用者につき20万円まで。この20万円が工事費の上限となり、そのうち自己負担割合(1割、2割、または3割)を除いた額が支給されます。

つまり、最大で18万円(自己負担1割の場合)の補助が受けられることになります。


注意点

  • 必ず着工前に、市区町村への事前申請が必要です。工事後の申請は認められません。
  • 申請には、ケアマネジャーや福祉住環境コーディネーターなどが作成する「住宅改修が必要な理由書」などが必要です。まずは担当のケアマネジャーに相談しましょう。
  • 原則として、支給は1人につき1回限りですが、転居した場合や、要介護度が著しく高くなった場合(3段階以上上昇した場合など)には、再度20万円までの支給申請が可能です。

自治体独自の助成金・補助金制度

多くの市区町村では、国の介護保険制度とは別に、独自の住宅改修に関する助成金や補助金制度を設けています。これらの制度は、介護保険の支給限度額に上乗せして補助するものや、介護保険の対象とならない工事も補助対象とするものなど、内容は様々です。

お住まいの市区町村の役所(福祉課、高齢者支援課、建築指導課など)の窓口に問い合わせるか、自治体のホームページで確認しましょう。ケアマネジャーが情報を持っている場合もあります。

これらの制度は予算に限りがある場合や、申請期間が定められている場合もあるため、早めに情報を確認することが大切です。

その他の減税制度など

上記以外にも、バリアフリーリフォームを行った場合に利用できる可能性のある税制優遇措置があります。

  • 所得税の住宅ローン減税または特定改修工事に係る税額控除:
    一定の要件を満たすバリアフリー改修工事を行った場合、所得税の控除を受けられる場合があります。2
  • 固定資産税の減額措置:
    一定のバリアフリー改修工事を行った住宅について、翌年度分の固定資産税が減額される場合があります。3
  • 贈与税の非課税措置:
    親や祖父母から住宅取得等資金の贈与を受けてバリアフリー改修工事を行う場合、一定額まで贈与税が非課税になる制度があります。4

これらの税制度は適用要件が複雑であり、毎年のように改正される可能性もあります。必ず、工事を行う前に税務署や税理士などの専門家に相談し、最新の情報を確認してください。

リフォームの課題を解決する選択肢:C’ZB(シーズビー)シニアリビング

介護リフォームは有効な手段ですが、いくつかの課題に直面することもあります。

例えば、


「思った以上に費用が高額になってしまう」
「賃貸住宅なので、そもそも自由にリフォームができない」
「工事期間が長く、その間の生活が大変」
「部分的なリフォームでは、根本的な問題が解決しづらい」
「将来、状況が変わったときに元に戻せない」

・・・といったお悩みです。

もし、このような課題で介護リフォームに踏み切れない場合、介護リフォームとは異なるアプローチとして、私たち株式会社アイデアの「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」をご検討ください。

これは、ご自宅の庭などの敷地内に、介護に特化した独立した居住空間(離れ)を設置するという、新しい介護の住まいの形です。

「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」が選ばれる理由

必要な機能がコンパクトに実現

バリアフリー設計、介助しやすい水まわり、手すりなど、介護に必要な設備を効率的に備えています。既存の母屋を大掛かりに改修する必要がありません。

プライバシー確保と安心の距離感

母屋とは別の空間で、介護される方もご家族も、お互いのプライバシーや生活リズムを尊重できます。それでいて、敷地内にいる安心感と、必要な時にすぐサポートできる程よい距離感を保てます。

設置・撤去の容易さと将来への柔軟性

「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」は、モバイル建築の専門家である株式会社アイデアがご提供する製品です。そのため、比較的短期間での設置が可能です。

そして、将来的に介護が不要になった際には、撤去して更地に戻したり、趣味の部屋として再利用したり、あるいは移設・売却したりすることも可能です。

これは、一度工事したら元に戻すのが難しい従来のリフォームにはない、大きなメリットと言えるでしょう。

コストパフォーマンスと期間

工事内容にもよりますが、大掛かりなリフォームと比較して、費用を抑えられるケースや、より短い工期で介護に適した環境を整えられる場合があります。

「リフォームも検討したけれど、うちの状況では難しいかもしれない…」

そうお感じの方は、ぜひ一度、神奈川県足柄上郡中井町にある弊社の展示場で「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」の実物をご覧ください。介護のための住まいに関する新しい視点が見つかるかもしれません。

専門のスタッフが、お客様の状況やご要望を丁寧にお伺いし、最適なプランをご提案させていただきます。

まとめ:最適な住環境で安心な毎日を

介護リフォームは、ご自宅での安全で快適な介護生活を実現するための有効な手段の一つです。

費用相場を理解し、失敗しないためのポイントを押さえ、利用できる補助金制度をしっかりと活用することで、より満足のいく住環境づくりが可能になります。リフォームを検討される際は、専門家とよく相談し、計画的に進めることが成功の鍵となります。

一方で、リフォームには費用や工期、建物の制約など、様々な課題が伴うことも事実です。

もし、介護リフォームで解決が難しいお悩みをお持ちでしたら、私たち株式会社アイデアがご提案する、庭に設置する別棟の介護専用ハウス「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」という新しい選択肢もぜひご検討ください。これは、介護する方・される方双方にとって、心身ともにゆとりある生活を実現するための一つの答えとなるかもしれません。

大切なご家族のために、最適な住環境づくりを一緒に考えていきましょう。


株式会社アイデア

C’ZB(シーズビー)シニアリビング

本社:〒259-0132 神奈川県足柄上郡中井町藤沢10-11

展示場:〒259-0121 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1926−4

お電話でのお問い合わせ:0120-848-873(フリーダイヤル)

サービスサイト:https://www.czb.jp/order-made/senior-living/

介護のための住まいに関するご相談、「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」に関するお問い合わせ、お待ちしております。

脚注

  1. 介護保険における住宅改修|厚生労働省 ↩︎
  2. バリアフリー改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)|国税庁 ↩︎
  3. バリアフリー改修に係る固定資産税の減額措置 – 国土交通省 ↩︎
  4. 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置について – 国土交通省 ↩︎