在宅での介護生活が始まるとき、多くの方が最初に検討するのが、「介護用ベッド」や「車椅子」といった福祉用具の導入です。
これらの用具は、ご本人の自立を助け、安全で快適な生活を送るために、そして何よりも介護するご家族の身体的な負担を軽減するために、今や不可欠なパートナーと言える存在です。
しかし、いざ選ぼうとすると、「どんな機能があるの?」「うちの場合はどれを選べば良いの?」「レンタルと購入、どっちがお得なの?」「介護保険の補助は使えるの?」など、様々な疑問や不安が出てくるのではないでしょうか。
この記事では、在宅介護の準備をされている方のために、福祉用具の代表格である介護用ベッドと車椅子の選び方のポイントから、介護保険を利用した「レンタル」と「購入」の仕組みとメリット・デメリットの比較、そして利用できる補助制度について、分かりやすく解説していきます。
さらに、せっかく導入した福祉用具の能力を100%引き出すための「住まい」の重要性と、その新しい解決策として、私たち株式会社アイデアがご提案する「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」についてもご紹介します。
ご本人とご家族、双方にとって最適な福祉用具を賢く選び、安全で快適な在宅介護を実現しましょう。
なぜ福祉用具が重要なのか?~本人と介護者の負担を劇的に減らす力~
福祉用具は、単なる「便利な道具」ではありません。適切に活用することで、日々の介護生活を劇的に変える力を持っています。
ご本人にとってのメリット
介護者にとってのメリット
「たかが道具、されど道具。」
福祉用具一つで、ご本人とご家族、双方の日々の暮らしは、より明るく、前向きなものへと変わる可能性を秘めているのです。
【介護用ベッド】選び方のポイントと機能
一日の多くの時間を過ごす介護用ベッドは、福祉用具の中でも特に重要なアイテムです。選ぶ際には、以下のポイントをしっかりと確認しましょう。
介護用ベッドを選ぶ際の重要ポイント
身体状況に合っているか
ご本人の「できること」「できないこと」に合わせて選びます。寝返りは自分で打てるか、手すりがあれば起き上がれるか、立ち上がりはどの程度可能かなど、現在の身体能力と、将来予測される変化を考慮して選びましょう。
機能は必要十分か
介護用ベッドには様々な機能があります。後述する機能を参考に、ご本人に本当に必要な機能は何か、逆に不要な機能は何かを吟味しましょう。高機能なほど価格も高くなる傾向があります。
設置する部屋の広さに合っているか
ベッド本体のサイズだけでなく、ベッドの周りに介助者がスムーズに動けるスペース(最低でも片側50cm以上、できれば三方にスペース)を確保できるかが非常に重要です。
マットレスとの相性
ベッドとマットレスは、必ずセットで考えましょう。ご本人の体重や、床ずれのリスク、寝心地などを考慮し、最適なマットレスを選ぶことが、快適な睡眠と健康維持の鍵となります。
デザイン性
毎日使うものだからこそ、部屋の雰囲気に合うデザインや色を選ぶことも、心理的な快適さに繋がります。
主な機能と役割
背上げ(リクライニング)機能
ベッドの背の部分が起き上がる機能です。上半身を起こすことで、ベッドの上での食事や読書、テレビ鑑賞などが楽な姿勢で行えます。また、誤嚥の防止や、呼吸を楽にする効果も期待できます。
膝上げ機能
背上げ機能と連動して、膝の部分が持ち上がる機能です。これにより、身体が足元へずり落ちるのを防ぎ、より安定した楽な姿勢を保つことができます。足のむくみ軽減にも繋がります。
高さ調節機能
ベッド全体の高さを昇降させる機能です。ベッドを最も低くすれば、万が一の転落時の衝撃を和らげることができます。立ち上がる際には、足が床にしっかりと着く高さに調節することで、安全に立ち上がれます。
また、介護者がおむつ交換などの介助を行う際には、自分の腰の高さに合わせることで、腰痛予防に絶大な効果を発揮します。
サイドレール
ベッドからの転落を防いだり、寝返りや起き上がりの際の支えとして使ったりします。ただし、使い方によっては身体を挟んでしまう事故のリスクもあるため、ご本人の状態に合った適切なものを選ぶ必要があります。
マットレスの種類
マットレスも様々ですが、主に「体圧分散マットレス(床ずれ防止用具)」と「寝心地重視のマットレス」に分けられます。
ご自身で寝返りが難しい方や、寝ている時間が長い方は、身体の同じ場所に圧力がかかり続けるのを防ぐ「体圧分散マットレス(エアマットレス、ウレタンフォームマットレスなど)」を選ぶことが推奨されます。
【車椅子】選び方のポイントと種類
車椅子は、ご本人の「足」となる大切な用具です。行動範囲を広げ、QOLを向上させるために、慎重に選びましょう。
車椅子を選ぶ際の重要ポイント
利用目的と場所
主に室内で使うのか、散歩や通院など屋外でも頻繁に使うのかによって、選ぶべきタイプやタイヤの大きさが変わってきます。
身体状況とサイズ
「大は小を兼ねる」は禁物です。身体に合わない大きな車椅子は、姿勢が崩れて疲れやすくなったり、床ずれの原因になったりします。座面の幅、奥行き、背もたれの高さ、フットサポート(足置き)の長さなどが、ご本人の体格にぴったり合っていることが最も重要です。
介助者の使いやすさ
介助者が操作する場合は、車椅子本体の重量、折りたたみのしやすさ、ブレーキの種類(介助用ブレーキの有無)などを確認しましょう。自動車に乗せる機会が多い場合は、コンパクトに折りたためる軽量なモデルが便利です。
クッションの重要性
車椅子とセットで、適切なクッションを選ぶことも忘れてはいけません。座り心地を良くするだけでなく、お尻への圧力を分散させて床ずれを防ぐ重要な役割があります。
主な種類と特徴
自走式車椅子
利用者が自分で後輪(大きな車輪)のハンドリムをこいで進むことができるタイプです。介助者に押してもらうことも可能です。
介助式車椅子
主に介助者が後ろから押して操作するタイプです。後輪が小さく、自走式に比べてコンパクトで軽量なモデルが多いのが特徴です。
リクライニング
・ティルト式車椅子
背もたれを倒す「リクライニング機能」や、座面ごと角度を変える「ティルト機能」が付いた車椅子です。長時間座っている方の姿勢を変え、お尻や背中にかかる圧力を分散させることができます。
電動車椅子
レバーなどで簡単に操作できる電動モーター付きの車椅子です。上肢の力が弱い方でも、自力で長距離の移動が可能になります。
レンタル vs 購入、どちらがお得?~介護保険の仕組みから徹底比較~
福祉用具を準備する際、多くの方が悩むのが「レンタル」と「購入」のどちらを選ぶかです。これには、介護保険制度が大きく関わってきます。
結論から言うと、介護保険では、福祉用具は原則として「レンタル(貸与)」が基本で、衛生面などからレンタルになじまない一部の品目のみが「購入」の対象となります。
【レンタル】「福祉用具貸与」の仕組み
対象品目
(主なもの)
介護保険でレンタルできるのは、以下の13品目です。
- 車いす(付属品含む)
- 特殊寝台(介護用ベッド)(付属品含む)
- 床ずれ防止用具
- 体位変換器
- 手すり(工事不要のもの)
- スロープ(工事不要のもの)
- 歩行器
- 歩行補助つえ
- 認知症老人徘徊感知機器
- 移動用リフト(つり具部分を除く)
- 自動排泄処理装置
費用
レンタル料金の1割(所得に応じて2割または3割)を月々支払います。例えば、月額レンタル料が8,000円の介護ベッドなら、自己負担は月々800円(1割負担の場合)です。
メリット
- 初期費用を大幅に抑えられる。
- 身体状況が変化(改善・悪化)した場合、いつでもその時の状態に合った用具に交換・変更できる。(これが最大のメリットです)
- 定期的なメンテナンスや、故障時の修理はレンタル事業者が無料で行ってくれる。
- 不要になれば、いつでも返却できるため、処分の手間や費用がかからない。
デメリット
- レンタル期間が非常に長くなると、購入するよりも総支払額が高くなる可能性がある。
- あくまで借り物なので、自分のものではないという心理的な抵抗を感じる人もいる。
【購入】「特定福祉用具販売」の仕組み
対象品目
レンタルになじまない、主に排泄や入浴に使われる衛生的な用具が対象です。
- 腰掛便座(ポータブルトイレなど)
- 自動排泄処理装置の交換可能部品
- 入浴補助用具(シャワーチェア、浴槽用手すり、浴室内すのこなど)
- 簡易浴槽
- 移動用リフトのつり具の部分
費用
同じ年度内(4月~翌3月)で10万円を上限として、購入費用のうち自己負担分(1~3割)を除いた額(9~7割)が支給されます。ただし、一度全額を利用者が支払い、後から市区町村に申請して払い戻しを受ける「償還払い」が基本です。
メリット
- 新品を自分専用として衛生的に使える。
- 自分の所有物となる。
デメリット
- 一度購入すると、身体状況が変化しても簡単に交換できない。
- 不要になった場合の処分は自己責任となる。
- 申請手続きが必要で、一時的に購入費用を全額立て替える必要がある。
結論
身体状況の変化が予測される在宅介護において、介護用ベッドや車椅子は、いつでも最適なものに変更できる「レンタル」を利用するのが、一般的かつ最も賢い選択と言えるでしょう。
福祉用具を選ぶ・利用するまでの流れ
福祉用具を利用する際は、自己判断で選ぶのではなく、必ず専門家と相談しながら進めましょう。
- Step1専門家への相談
担当のケアマネジャーや、地域包括支援センターに「福祉用具を利用したい」と相談します。
- Step2福祉用具貸与(販売)事業者の選定
ケアマネジャーが、地域の事業者を紹介してくれます。
- Step3用具の選定・フィッティング
事業所に所属する「福祉用具専門相談員」が自宅を訪問し、ご本人の身体状況や住環境を確認した上で、最適な用具を提案してくれます。この時に、実際に試してみる(フィッティング)ことが非常に重要です。
- Step4福祉用具の搬入・設置
用具が決まったら、事業者が自宅まで搬入・設置し、安全な使い方を丁寧に説明してくれます。
- Step5利用開始とアフターフォロー
利用開始後も、福祉用具専門相談員が定期的に訪問し、用具が身体に合っているか、不具合はないかなどを確認(モニタリング)してくれます。
福祉用具を100%活かすための「住まい」の重要性
どんなに高性能で、ご本人の身体にぴったり合った福祉用具を選んだとしても、それを設置し、使用する「家」の環境が整っていなければ、その能力は半減し、場合によっては全く使えないということにもなりかねません。
このように、福祉用具と住環境は、まさに「車の両輪」の関係です。両方がしっかりと揃って初めて、安全で快適な在宅介護が実現するのです。
【新しい選択肢】福祉用具が活きる家「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」
「今の家では、とても介護ベッドも車椅子も使いこなせない…」
「でも、大掛かりなリフォームや建て替えは難しい…」
そんなお悩みを抱えるご家族に、私たち株式会社アイデアは、福祉用具の活用を大前提として設計された、新しい住まいの形「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」をご提案します。
「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」が福祉用具と相性抜群な理由
- 福祉用具の配置を前提とした、ゆとりのある空間設計
「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」は、設計段階から、介護ベッドや車椅子の利用を想定しています。例えば、介護ベッドを置いても、その周りを車椅子で楽に方向転換できる十分なスペースを確保。ベッドの三方向から介助者がアプローチできる、ゆとりのある間取りをご提案します。 - 段差ゼロの完全バリアフリーと、自由な手すり設置
室内は段差のない完全なフラットフロア。車椅子でのスムーズな移動はもちろん、歩行器やつえを使う方にとっても安全です。
また、壁の構造も工夫されており、介護保険の住宅改修を待つまでもなく、ご本人の身体状況に合わせて、最も使いやすい位置・高さに、十分な強度で手すりを取り付けることが可能です。 - 将来の重度化や、新しい福祉用具の導入にも対応できる柔軟性
現在は歩行器でも、将来的に車椅子が必要になるかもしれません。さらに重度化して、天井走行リフトなどの導入が必要になる可能性もゼロではありません。
「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」は、そうした将来の身体状況の変化にも対応できる、天井の構造設計や電源の確保など、先を見据えた柔軟な設計思想に基づいています。 - 母屋の生活空間を圧迫しない
福祉用具を導入するために、母屋の愛着のある家具の配置を変えたり、リビングを狭くしたりする必要はありません。介護に必要な機能はすべて「シニアリビング」で完結させ、母屋はこれまで通り、ご家族が快適に過ごすための空間として維持することができます。
株式会社アイデアは、福祉用具の専門家とも連携し、用具と住まいが一体となった、トータルでの最適な介護環境をご提案します。
最新の福祉用具が、この空間でどれだけ活きるのか。その可能性を、ぜひ神奈川県足柄上郡中井町の展示場でご自身の目でお確かめください。
まとめ:適切な用具と住まいで、無理のない介護生活を
介護用ベッドや車椅子は、ご本人と介護するご家族、双方の負担を軽減し、在宅生活の質を大きく向上させてくれる、頼れるパートナーです。
大切なのは、専門家とよく相談し、ご本人の身体状況に本当に合ったものを選ぶこと。そして、介護保険の「福祉用具貸与」などの制度を賢く利用すれば、経済的な負担も大きく軽減できます。
さらに、選んだ福祉用具を100%活かすためには、それを使いこなせる「住環境」が不可欠です。私たち株式会社アイデアの「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」は、まさにそのための新しい、そして最適な答えの一つです。
賢い用具選びと、それを活かす住まいづくりで、笑顔のあふれる、無理のない在宅介護を実現しましょう。
株式会社アイデア
C’ZB(シーズビー)シニアリビング
本社:〒259-0132 神奈川県足柄上郡中井町藤沢10-11
展示場:〒259-0121 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1926−4
お電話でのお問い合わせ:0120-848-873(フリーダイヤル)
サービスサイト:https://www.czb.jp/order-made/senior-living/
福祉用具を活かす住まいのご相談、お待ちしております。